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【質問 No. 23556】 動名詞の意味上の主語について 香炉峰 2023-12-02 14:44:22
 木村先生、おようございます。昨夜の「get+O+p.p.」に関する明解な解説、ありがとうございました。頭の中かスッキリしました。今回の質問は動名詞の受動態の意味上の主語についてですが、以下のような文は、通常使われますでしょうか。

1. What do you think about <the repair> being fixed at your expenses?

 また、この文の repair の代わりに、me を意味上の主語にした場合は、

2. What do you think about <me> fixing the repair at my expenses?

で問題ないでしょうか。ご教示の程、よろしくお願いいたします。


【回答】
 ご質問の 1. の英文の意味は、「修理が、あなたの経費で行われることについて、あなたは、どう思いますか?」ということで、おっしゃる通り、the repair は、being fixed at your expense の「意味上の主語」となっています。本来、動名詞 being の所有格、即ち、the repair's being fixed ... とすべきところですが、文語文では、about の目的語として、主格が使われているのです。

 一方、2. への書き換えで、the repair の代わりに、me を使えば、「私が、自前で、修理をすることについて、どう思いますか?」(= それでも、構いませんか?)という意味になります。問題は、ありません。 



【質問 No. 23555】 英語の「解読読み」について ぴろしき 2023-12-02 14:26:09
 英語教育についてのお考えをお伺いしたく、質問します。

 昨今、日本の英語教育における文法偏重の読解が批判されているのを目にします。「S V O C M」に分け、文型を特定し、文法の知識を総動員して英文を解読する読み方は、かえって英語力を低下させる悪習だという論調です。「書き下し読み」と揶揄されることもあり、これは後ろから順々に訳すことを揶揄した言葉ですが、本質的には解読読みが批判されているのだと思います。

 私自身は、初めに塾で本格的に英語を習った時に、まさに文法をとても重視した教えを受け、英語が大学受験の得意科目になるくらいには読めるようになりました。そのため、私にとっては、それ以外の読解はあり得ず、文法の盤石な理解なくしては、安定した読みは存在しない、という感覚です。

 しかし、昨今の文法偏重教育への批判の高まりを見て、そのような考えは、所詮、「私がそのような教えを受けたから、そう考えている」に過ぎないかもしれない。文法重視の読み以外の道も、もしかしたら存在するのかもしれない、と不安になることがあります。

 先生のお考えを、聞かせていただきたいです。


【回答】
 まず、英語を覚える方法として、@ English as a native language, A English as foreign language、B English as a second language という違いによって、英語習得の質や、内容に違いが生まれると思います。@ は、言わずと知れた「母国語を母語として」習得することで、日本における英語教育とは、全く異なるプロセスの中で、生得的に習得するわけで、全く言語そのものを持たない幼児が、様々な状況の中で、故意、または、自然に、体得している過程を意味します。例えば、幼児は、生まれた瞬間から、周囲の環境の中で、多量の言語素材を耳にながら、成長し続け、一才を過ぎる頃から、自分に必要な言語音として、例えば、Mama gone. Ah, mama come. Happy, happy. といったように、与えられた母語の構造を理解していく、と言われています。

 ところで、この幼児の言語理解能力は、如何にして生成されるか、というと、数限りない音声のカオスの中から、言語に必要な、主語・述語を発見することができるのか、という疑問は、謎ではありますが、最近の言語理論では、無数の音声を聞きながら、それを状況と結びつけながら、言語を発生させるのは、人間の脳だけが持っている「生得」的なものである、と言われています。その証拠に、他の種の動物は、同じ環境に置かれても、言語を発生させることができないのです。

 こうして、人は、成長するにつれて、英語の骨組みを体得し、それを自らも使うことを学ぶようになります。つまり、自分の言語の“文法”を、教えられなくても、体得していくのです。かなり成長してから、新しい環境の中で、第二言語として、英語を覚えていく場合は、10歳以前ならば、native ability を身につけることが可能でも、それを超えるね例の数に応じて、第二言語といえども、near-native ability は身につくけれども、年倍になるにつれて、難しくなると言われています。

 そこで、本題の外国語としての英語学習に話を移しますと、もはや、生得的に英語を体得する能力は、大体10歳くらいから、衰えていくと言われ、外国語としての英語学習ということになります。その場合には、大人として、理屈、すなわち、英文法を学ぶことによって、英語の真髄を後天的に学ぶ必要が生じるのです。もちろん、できれば、ネイティブスピーカーによる、ふんだんな英語聞かせは必要ですが、その上で、理屈として、英語を学ぶという状況に置かれるわけです。これが、私たちが、今行なっている英語学習法で、一通り、英文法を学んだのちに、あるいは、それと同時に、英語を聞き、読みながら、英語を覚えていくということになるのです。尻切れトンボになりますが、これで、ご質問に対する回答とさせていただきます。



【質問 No. 23554】 「get + O + 過去分詞」の訳し方について 香炉峰 2023-12-02 05:54:56
 いつも、お世話になっております。今回の質問は、次の英文についてです。

 We shouldn't get our priorities mixed up.

 こ英文の訳が、「優先すべきことを混同してはいけない」となっているのですが、直訳すると、「私たちは、私たちの優先すべきことを、混同させてはいけない」となるのでしょうか。つまり、priorities と mixed up の関係は、priorities が mix up される関係(受身の関係)ですが、和訳としては、能動的に訳されている、と理解してよろしいでしょうか。ご教示の程、よろしくお願いいたします。


【回答】
 ご質問の英文を、直訳すると、「私たちは、優先事項を、混ぜ合わせてしまうべきではない」となりますが、その真意は、「優先事項を、ごちゃごちゃにしてしまっては、いけない」ということで、ここでは、優先事項の順序を、間違えてはいけない、ということを言っているのです。「混同する」という訳は、その辺の事情を曖昧にしてしまうので、「優先事項の順序を、間違えてはいけない」とすべきだろう、と思います。なお、構造としては、get(V) [our priorities](O) [mixed up](C) の意味は、「優先事項を、混ぜ合わされた、状態にする」という「受動態」なのですが、日本語としては、おっしゃる通り、「能動態」とした方が響きが良くなるので、そうしたまでなのです。


【質問 No. 23553】 a thread to follow back to the person I was before という阜サについて 寅年のトラちゃん 2023-12-02 09:22:43
 こんにちは。お世話になります。

 次は、英文雑誌 TIME で見た文です。

 When I catch myself faltering, fumbling in the dark for a thread to follow back to the person I was before, the thing that often keeps me from despair is talking with my mother.

 文中の a thread to follow back to the person I was before という表現について、下記の二つの解釈の、どちらが正しいのでしょうか。それとも、下記の二つの解釈以外に、正解があるのでしょうか。

解釈A: 「以前の私へと戻っていくための糸」
 これは、I’m trying to follow back to the original source of the rumor. の例文のように、<follow back to ~> を一つの idiom と考えた場合の解釈です。

解釈B: 「以前の私の方を目指して、たどっていくべき糸」
 これは、<follow back to > を一つの idiom とは考えないで、a thread to follow の部分を、「たどっていくべき糸」と解釈した場合です。

 私は、上の「解釈A」が良いのではないかと思うのですが、ひょっとしたら、「解釈B」もあるかもしれないとも思っており、悩んでいるところです。

 どうぞ、よろしくお願いいたします。


【回答】
 ご質問の英文の意味は、「自分が迷っていることに気づいて、元の自分に戻るため辿るべき糸を求めて、暗闇の中で手探りしているときに、私をしばしば絶望から救ってくれるものは、母と話すことです」ということで、ご質問の a thread to follow back to the person I was before とは、「元の自分に戻るために辿るべき糸」という意味で、解釈A: でも、解釈B: でも、どちらも内容としては、同じことを言っているので、両方とも正しい解釈であると思います。















【質問 No. 23552】 仮定法について よしこ 2023-12-02 05:07:00
 いつも、ありがとうございます。以下の文章について、質問があります。

1. If it had not been for the fossil record, we would have not been known about the existence of dinosaurs.

 問題は、訂正したうえで、和訳しなさい、とあります。問題集の答え:

2. If it had not been for the fossil record, we would not have been known about the existence of dinosaurs.
 「化石記録がなかったら、恐竜の存在は、わからなかっただろう」

 ですが、以下のように訂正し、和訳しても、間違いではない、と思いますが、いかがでしょうか?

3. If it had not been for the fossil record, we would not be known about the existence of dinosaurs.
 「化石記録がなかったら、(今現在)恐竜の存在は、知られていないだろうに」



【回答】
 1. と、2. の英文は、「仮定法過去完了形」ですが、we would not have known (about the existence of dinosaurs) とするのが、正しい用法となります。「正解」とされる 2. も、1. と同じ間違いが含まれており、been は「削除」しないと、正解にはなりません。また、3. については、we would not know (about ...) という風に、be を削除しないと、正解とはなりません。been や、 be を入れた形は、「受動態」で、ここでは「能動態」とすべきなのです。


【質問 No. 23551】 「どの人?」と尋ねるときの表現について みさき 2023-12-02 04:49:34
 近くに複数人の女性がいて、「あなたの奥さんは、どの人?」と聞くときも、Who is your wife? で良いのでしょうか? Who is your wife? だと、「あなたの奥さんは、誰?」となり、名前や素性を尋ねる文になってしまうのではないか、と思ったのですが・・・。

 それとも、この場合は、Which is your wife? と言っていいのでしょうか?


【回答】
 Who is your wife? と尋ねると、「あなたの奥さんは、何者ですか?」といった意味に取られる恐れがあるので、Which is your wife? と尋ねるよりも、Which lady is your wife? と、lady を付けるだけで、「あなたの奥様は、どちらの方ですか?」という、丁寧な意味になるのです。


【質問 No. 23549】 master of ceremonies について 小諸 2023-12-01 10:09:00
 「司会者」 MC (=master of ceremonies) が複数いる場合、Main MC や、 Assistant MC と言えますか?

【回答】
 テレビのショーなどの司会者は、Master of Ceremonies と言い、それを補助する者を、通常は、Assistant MC とは言いますが、だからと言って、正司会者の意味で、Main Master of Ceremonies とは言わないように思われます。


【質問 No. 23548】 only better について 安室 2023-12-01 05:35:56
 We worry that if we, or our children, are labeled "different," we will have no chance of succeeding in school and will be destined to a life on the lower position.
 We worry that if we do not attend a leading school and earn high grades, the employers we want to work for may not even look at us. We worry that if we answer a personality test in the wrong way, we may not get the job we want. We live in a world that demands we be the same as everyone else, only better, and reduces the American dream to a narrow ambition to be relatively better than the people around us, rather than the best version of ourselves.

 4文目の、only better と、reduce は、どのような意味でしょうか。


【回答】
 ご質問を含む第4文目の英文の意味は、「我々が今住んでいる世界は、我々が他のすべての人と同じであること、ただちょっとだけ優れていることだけ、を求めており、さらに、我々自身の最高のバージョンであることよりも、周りの者たちより、ちょっとだけ上である者になるように、(元々崇高な目標であったはずの)アメリカンドリーム(という理想)を、単なる狭い野心にまで、縮小させているのである」ということで、only better とは「ちょっとだけ上(であることだけを求めている)」という意味で、reduce は「減じる」ということから、「縮小させる、狭いものとする」という意味で、使われているのです。


【質問 No. 23547】 正しい英文解釈の仕方について ころも 2023-11-30 09:48:20
 英文を解釈する際は、何に気をつけ、何を意識して行うと、良いのでしょうか。

【回答】
 英文解釈とは、英文を読んで、その内容を、過不足なしに、理解することを意味しますが、英文というものは、子どもや、学生が書いたものを除けば、大体、大人が書いた英文ということになります。ですから、大人になって、しかも、書いている人と同等の経験や学問をやってきた人たちの、思想や、思いを理解できる基盤がなければ、筆者の真意を汲み取ることは、できません。したがって、英文を書いている人たちと、同じ人生を歩んでいることが、必要となるわけです。
 ところが、通常、英文解釈を行っている人たちというものは、英語を習い始めた人から、高校・大学程度までの人たちのことで、大体において、その程度を超えた段階にあるネイティブスピーカーが、言ったり、書いたりする内容を、理解できることが条件なので、中々そう簡単ではありません。第一に、英単語の数ですが、大人のネイティブスピーカーは、5,6万語を身につけている、と言われていますから、それに匹敵する数の単語を覚えていなければならないことになります。
 また、彼ら独特の発想が、英語の構文に表れているので、その構文をまず、理解しておかなければなりません。それには、英文法の基本をしっかりと身につけることが、第一に求められるのです。聞いて、理解できるためには、発音の初歩を身につけておかなければなりません。その上、英語には、単語の他に、熟語や慣用語句がたくさんありますから、それらも身につけなければなりません。
 こうした作業が必要になるので、まずは、英文解釈の参考書を一冊購入して、最初から終わりまで、しっかりと熟読すること以外に、方法はありません。それをせずに、ネイティブのいる海外へ出かけても、得るところはほとんどなく、二、三年の滞在で得られるものは、僅かで、やはり前もって勉強していなければ、なんの役にも立ちません。
 難しいことを言うようですが、英文解釈の参考書で、基礎からきちんと学ぶことが大事なのです。時々、このサイトで質問するだけでは、足りないと思います。一念発起して、中級程度の英文解釈の参考書、または、英文法、英文解釈、英作文を、三位一体として取り上げている参考書などもありますから、そうしたものを購入して、今から始めてください。
 



【質問 No. 23546】 文型の確認のお願い ころも 2023-11-30 06:12:26
 Peggy said to herself, "I've never been to such a boring, horrible party before, but I might as well look like I'm enjoying myself."

 but 以下の文の構造がわかりません。like の後には「名詞」か、「文」を置くと書いてあり、この場合、「文」だということはわかるのですが、might ~ like を動詞とし、文全体を目的語と見ていいのでしょうか。

 なお、この文の文型は、以下のように考えたのですが、合っているでしょうか。

 Peggy(S) [said to herself](Vi), "I(S)['ve never(M) been to](Vt) [such a boring, horrible party](O) before(M), but I(S) [might as well look like](Vt) [I(S’)['m enjoying myself](Vi’)](O)."


【回答】
 @ I might as well look like I'm enjoying myself の文構造は、I(S) [might as well look](V) like(C) { I(S) 'm(V) enjoying(V) myself(O) }(M). ということで、like は、それ自体の目的語を取る形容詞なのですが、ここでは、I'm enjoying myself という「名詞節」を「目的語」にしているのです。しかし、文型上、like 以下の節(I'm enjoying myself)を、文全体の O とすることは許されないので、私は、like を「形容詞」として、I'm enjoying myself を、便宜上、M としておきました。

A では、@ で、すでに解説したので、前半の構造を見てみますと、以下のような構造が考えられます。

 Peggy(S) [said to herself](V) { I(S) ['ve never been](V) [to such a boring, horrible party(M) }(O).



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